美しい国へ

 
遅ればせながら、安倍さんの著書「美しい国へ」を読んだ。
 
これまで僕は安倍さんという人に対して、これといった印象は無かった。
オヤジの後継として担ぎ上げられた、苦労知らずのただの"ボンボン"だろ?
「闘う政治家」…? えっ! アンタが….?? (笑) 
拉致問題だって人気取りっぽいし….。
でも背が高くてスマートだから、サミットでは見栄えがするから、まぁいいか。
ソフトなイメージで、オバサンには人気でるんだろうなぁ……と、その程度でした。
 
 
でもこの本を読んですっかり印象が変わりました。
この人は、日本という国をどうしたいか? しっかりした考え方を持っている人なんだ、と見直した。
 
「日本人であることに誇りを持てる国を作りたい」。 
一言で言えば、そういうことだと僕は受け止めた。
 
政治家の家に生まれた故に、若い頃からその視点でモノを考え、自分なりの理念をどう形作っていったかプロセスがわかった。
過去の政策や歴史などよく勉強されているし、そこから「どうすればいいか?」という自分なりの意思もある。
海外で暮らし、客観的な目で日本を見た経験があることにも好感を持った。
「美しい国をめざす」というのは、人気取りのためのキャッチフレーズでもなければ、軽薄なポーズでもない。 
考え抜いた上での安倍さんなりの結論なんだと思う。
 
総理大臣になる=偉くなること自体が目的だった、過去の首相とは明らかにタイプが違う。(森さんとか…笑)
小泉さんも「意思」を持った政治家として支持を集めたけど、それは「郵政民営化」など既存の枠組みを壊すという意思。
「創る」という次の目的には、ビジョンという意思を持った安倍さんがのような人がふさわしいと思った。
 
穏やかな笑顔の下には、冷徹な洞察力と強い信念。
さすが妖怪・岸元首相の血….。
若くて表面的にはソフトなだけに、この人は怖いと思った。
 
 
所信表明演説の後、「××という言葉が何回かしか出ていなかった。あまり関心が無いんじゃないか?」「何をしたいのか具体性が無い「意味が良く分からない」など、他の政治家からコメントが目立った。
 
…..あんた、この本読んだの?  斜め読みじゃなく、「ちゃんと」読んだかい?
…..意味が良く分からないのは、演説や本の内容じゃなく、自分の理解力の無さが原因じゃないの?
….じゃあ貴方はこの国をどうしたのか、自分のビジョンを持っているの?
揚げ足を取るしかできない他の政治家や評論家に、逆にこう聞きたくなる。
 
少子化に対する見方や、年金に対する考え方など、僕としては「それ違うんじゃないの?」と思う点も無い訳ではない。
でもこのようなビジョンを提示できる、若い政治家が首相になったのは本当に嬉しいなぁ….と思う。
 
あとはそのビジョンをどこまで実現する力があるか、その実行力に期待します。
 
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美しい国へ への2件のフィードバック

  1. Unknown より:

    北海道ビジネスフォーラムの講演を拝聴しました。
    PPTの経歴を拝見してビックリ!
    田中さんは滝川高校の同窓生でした(私の方が5年ほど先輩です)
    北海道銀行のセミナーはいつも時間足らずで消化不良です。
    30万円の本の話を1時間で聞けるのかと喜んで出かけましたが、わずか1時間じゃねえ・・・・。
     
    2年ぶりくらいの北海道だったようですが、今度はじっくり話を聞かせてください。
    お疲れ様でした。
    高校の同窓生として、田中さんのますますの活躍をご祈念いたします。
     

  2. SAKAET☆ より:

    コメントありがとうございます。
    さすが持つべきものは先輩。(笑) とても嬉しいです。
    せっかくお運びいただいたのに、消化不良になってしまい申し訳ないです。
    本来は最短でも90分、フルで4日かかる内容なので、さわりだけになってしまって残念です。
    また別な機会を作ってもらうようお願いして、今度はきちんとお話できればと思ってます。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
     

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