上質な不味いラーメン

 
先日、2つのお客さんと打ち合わせをしていて、偶然同じような議論になった。
その時頭に浮かんだ言葉が、「上質な素材を集めた、だけど不味いラーメン」だった。
 
最近ラーメン屋さんも競争が激しくて、「××産の厳選素材」なんていう詠い文句も多い。
これはこれで結構なんだけど、麺やスープ、具の全てを最高のものを用意しても、それだけで美味しいラーメンができるとは限らない。
料理人がちょっと塩加減を間違えれば、ラーメンは当然不味いし、逆に素材は大したこと無くても、料理人の腕がよければバランスが取れてそれなりに美味くなる。
 
 
そんなの当たり前じゃないか?…と言われるかもしれないけど、現実はそうでもない。
 
技術は料理で例えると「素材」みたいなもんだ。
開発者が技術に惚れ込むと、つい素材の良さばかり目がいってしまう。
いろいろなすごい技術=良い素材ばかりを揃えて、それで組み立てたものにお客さんの方を無理やり当てはめようとする。….だから失敗する。
 
ひとつひとつの素材は美味しくても、食べてみたらなんとなく味がバラバラだったり。
「ラーメン」としてはやっぱり不味い。
全体の「バランス」をどう組み立てるか、調理人のいなければ旨いモノは作れない。
 
また「美味い」と思うものは、場所によっても人によっても、そして時代によっても変わる。
素材の良し悪しはともかく、お客さんの好み(ニーズ)から作ったものがやっぱり一番美味しい。
 
 
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