米国から欧州へ

 
最近読んで気に入っているのが、「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」という本だ。
自分の言葉で素直に書かれていて、とてもいいなぁと思った。
 
これから日本は欧州に近い価値観に変わっていくのではないかと常々考えていた。
この本を読んでそれを確信した。
 
 
戦後、日本の目は常に米国に向いていた。
戦争に負けちゃったのだから。正義=米国だった。
だから米国的な尺度を基準に、米国との比較で豊かさが語られてきた。
 
米国的な価値観とは、「自由主義」と「資本主義」だ。
日本人にとってはどちらも疑問の余地の無い、ポジティブな印象の言葉だ。
 
でも考えてみて欲しい。
「自由主義」とは、裏を返せば「ルール無し、区別・差別も無し」ということだ。 
「資本主義」とは、裏を返せば「お金を持ってるヤツが偉くて強い」ということだ。
どちらも「強者がより強くなる、強者のためのルール」だ。
僕らはそれに何の疑問も抱かず、今までやってきた。
 
でもその結果、世の中はどう変わっただろう?
 
お金やモノでしか豊かさを実感できない社会。 
家中がモノで溢れかえっても、それでも満足できない人々。
経済的な豊かさを失いたくて、結婚しない男女。
合理性や便利さだけが絶対視され、文化は「無駄」だと切り捨てられる。
優しい人が蔑まれ、騙される人がバカだと言われる。
 
お金やモノが溢れる、貧しい国になった。
かつてお金もモノも無いけど、豊かな国だったのに。
目に見えるモノでしかわからないのは、「二流」ということに他ならない。
 
 
欧州に目を向けることで、米国とは違う尺度で比較できるようになる。
 
フランスにはコンビニエンスストアも自動販売機も無いという。

できるだけモノを持たない。不要なものは一切買わない。
それが世界の一流ブランドを生み出した文化。
学生がブランド品を持ち歩くこともない。
 
お金持ちだけでは「成金」、高価なモノでは尊敬は得られない。
基準は値段ではなく、自分にとって似合うかどうか。
一番大切なものは、モノでは「家族と歩んだ思い出」。
 
…..本当に今の日本は豊かで幸せなんだろうか?
 
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