ホンダのF1撤退

ホンダがF1を撤退するというニュースを複雑な気持ちで聞いた。
 
ホンダのアイデンティティは「スポーツ」である。
そのイメージの大部分は「F1への挑戦」が形作っているのは疑いようも無い。
 
F1からの撤退はホンダの「魂」が抜けてしまうことを意味する。
次の「何か」が見つからなければ、ホンダは普通の自動車メーカーになってしまうだろう。
台数で言えばトヨタに半分にも及ばない。
 
ただ一方では、F1にも経費削減の波が押し寄せている。
ニュースによれば今は年間400億円も掛かるらしい。
経費抑制のためにレギュレーションを大幅に変更し、共通のエンジンやミッションの利用が検討されている。
 
こうなってしまうとF1とは何か? 存在意義が分からなくなってくる。
そこに「魂」の拠り所を求めるのはむしろおかしいのかもしれない。
 
進化することは大切だが、もっと大切なのはどちらの方向に進化するか?だと思う。
自動車でやみ雲に「スピード」を追求する時代ではないと思う。
 
福井社長の記者会見では、考え抜いた上での「100年の覚悟」が滲み出ていた。
英断であると信じたい。
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