今日久しぶりに携帯ショップに行った。
少し前にドコモから「PHSサービスが来年4月に新規受付を終了するのでFOMAに変えなさい、今なら1-2万円割引するよ」というDMが来ていた。PHSは2年を目処にサービスを終了するらしい。
最近はウィルコムが定額制サービスなどお得な料金プランも出してるみたいなので、この際比較して変えちゃおうか、と思ったのだ。
….で、実際行ってみて愕然とした。
まずウィルコム。最近テレビでしきりに定額制の宣伝をやっている、あれです。
通話は月額2,900円でウィルコム同士なら通話もメールも使い放題、データ通信も(確か)2,200円の定額制って話なので、「ああ、5,000円くらいで使い放題なんだろうなぁ..」って思ってた。
ところが実際はそんな単純じゃない。
まず「データ通信」っていうのは、"電話機単体"でインターネットを見る場合だけなんだってさ。
その場合は月額は上限3,800円。つまり基本料金と合わせて6,700円になる。
しかし"PCで繋ぐ"場合はなぜか上限6,700円跳ね上がる。基本料金と合せたら9,600円だ。
5,000円位だと思ったら32k、もっと早いヤツがあるから1万円払え! と言われてもね….。
さらに聞けば、PCのスロットに刺すカード型は別の料金体系になってるというからややこしい。
簡単にいうと32kの繋ぎ放題なら5,800円、「4x」=(256k)のサービスもあってこちらは9,800円。
カード型は通話はしないのでその分基本料金が安くてもいいものだが…。
今使っているPHSもWebを使ったり、メールでちょっと大きい添付さファイルがあると64kでは厳しいのに、繋ぎ放題でも32kに戻るなんて….。10M-100Mのネットワークが当たり前ご時世、256kの"ワイヤレス"なんてちっとも有難くないのに毎月1万円はなぁ….。と考え込んでしまった。
25時間パックの料金プランもあるんだけど、ウィルコム=定額制だと思ってたから、「今さらなぁ…」と気持ちが萎えた。結局ウィルコムは断念。
次はドコモに行ったら、こちらも困ったチャンだった。
FOMAに変えたら新しいカードは割引券でタダにしてやる。でも….基本料金は3倍、時間単位なら6倍、データ通信量でいけば20倍の料金になる。簡単にいうとそういう話だ。
一体何のために、わざわざ時間作ってショップに行ったのか….馬鹿みたい。
あまりの殿様商売にただ笑うしかなかった。
FOMAの通信速度は384kと一番早い。
いろんな料金プランがあるんだけど、基本的な料金体系はパケット単位だ。
PHSは時間単位での課金だったので、ここが大きな違いになる。
基本料金は1,800円からあるんだけど、その場合のパケット料金はとんでもなく高い。(1.28kbで1円) 例えば普通のデジタルカメラの写真(jpeg/400kb)を一枚見たら300円だ。
基本料金が上がる毎に1パケット当りの料金はほぼ半額になる仕組み。
なので、ある程度基本料金が高いプランにしないと、超過料金はすごいことになる。
結局はパケ単価が1/4になる月額5,900円のプランに加入した。
これだと1.28kbで0.2円だけど、それでも基本料金はPHSの時の3倍だ。
PHSなら4,000円であれば1GB以上は通信できるに、FOMAの無料分は60MB弱。
確かにスピードは早くなるけど、384kなんて今の時代にありがたくもなんとも無いし。
結局何もいいことないじゃないか…。
….でも待てよ。そんことよりもっと大きな問題がある。
60MB弱は無料といっても、こんなものちょっとサイズが大きいメールや画像が多いWebページを見たら、PCならあっという間に超過するだろう。384kbってことは1秒でmax300円位かかることになる。
もしうっかり動画でも見たら、後で何万円とか何十万円って請求が来るのだろうか?
i-modeが出た時、子供が知らずに使って何十万円という請求が問題になった事があるけど、今度のは1ヶ月で何百万円-何千万円単位の可能性だってある。
実際、料金説明のパンフレットにも、「思わぬ高額の料金請求になるかもしれないので、気をつけて使いなさい」という主旨のことが書いてある。
……そ、そんなリスク抱えながら使うのは嫌だよ。
メールにしてもどの位のファイルサイズか受信するまで分からないし、Webページにしてもどの位のデータ量があるか開くまで分からない。データ量をコントロールしながら使うなんてことは本来不可能だ。
たまたま開いたページに動画のCMなんて張ってあったら….目も当てられない。
10年前のインターネットじゃあるまいし、「従量制」の課金システム自体今の時代に無理がある。
線は太くする、でも超過したらごっそり料金請求しますよって….意図的ならまともな商売じゃない。
じゃあ時間単位で使えば安全か? いうとこちらも問題がある。
FOMAでも時間単位の課金はあるがこれだと30秒30円だ。しかも時間単位の場合、通信速度はPHSと同じ64kになる。PHSは1分間10円だったから単純に料金は6倍になるということです。
まさに痒い所だけ手が届かない料金システム。.
うーん、しかしホントにひどいな…。
お客さんを大切にするという意識、どっか飛んじゃってませんかね?
本来あるべき料金体系じゃ無いんだよ。定額制にしてもカード型の料金にしても。
「稼げるうちに少しでもお金取ってやろう」という魂胆が見え見え。
だから追加オプションがコチョコチョ増えて分かりにくくなるし、料金プランはどれも一長一短。
お客さんの方は「消去法」でしか選択できなくなる。
「シメシメ…儲かった。」と思ってるなら、浅はかとしか言いようが無い。
消去法の選択=お客さんは決して満足していないってこと。
もっといいものが出てきたら今度はお客さんに見限られる、そういう素地を自ら作っている。
21世紀企業の最大の資産は「顧客」だということ、分かってない。
業界を超えて、今や競合は電話会社だけじゃない。
今やFTTHは5,000円台、無線LANのホットスポットは月額1,000円もしない時代だ。
インターネットは基本的にタダ。こんなネットワークが直ぐ隣りにある。
インターネットのプロバイダ料金があっという間に定額制になったように、IPモバイル=定額料金がまもなくやって来てくるだろう。月2,000-3,000円位に一気に下がったとき、こんなぬるま湯体質の電話会社が何社生き残れるだろうか….?
目先の稼ぎも大事だけど、一番儲かるのはユーザーを掴んで、満足させて離さないこと。
分かりやすい真っ当なサービスを、本来あるべき料金で、末永く使ってもらうことだ。
それが一番の近道だと思うのは僕だけだろうか?
ビジネスプランナー日記～21世紀のビ 